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''平成29年度事業''

平成28年度事業計画
Ⅰ.方  針
 国内の紙の需要は、一部に回復の兆しはあるものの依然として低調に推移している。今後も人口の減少、構造的要因により減少傾向となっていくことと推定されており、紙パルプ産業界は、国内需要のバランスに見合った生産体制を取りながら、新製品の開発やコスト削減に努めている。

さて、静岡県の地場産業である紙パルプ産業の抱える最近の課題として、古紙問題、工業用水、人材確保・育成等があげられる。
 原料確保は、古くて新しい課題であり、オフィス古紙、機密古紙、低廉化古紙の使用、歩留向上などの古紙技術を駆使し状況緩和ができればと思われる。
 
また、製紙会社をはじめ、製紙機械メーカ、薬品メーカは、多くの白水回収技術を有している。これらの技術の活用は、単に用水の削減に留まらず、環境保全、エネルギーの削減・歩留り向上を生み、紙パルプ産業の発展に繋がっている。水量の確保・安定供給の推進とともにこうした技術の導入を企業に促す工業用水道運営が望まれる。

少子高齢化に伴い、世代交代の流れは着実に進んでいる。このような環境下において、各社、通常の作業に対する教育は、特に問題なくでき、操業されていることと思われる。しかしさらに上の教育が必要となっている。調成や抄紙機を始めとして、用具、薬品、保守点検、安全、電気など多くの知識を身に着けることは、操業安定やコストダウンとなり、生産の現場力を高める。レベルアップされた人材は、企業の財産となり厳しい現状を乗り切る力となっていくことから、その育成が強く望まれる。

当協会は、静岡県紙パルプ産業界の抱える課題を踏まえ、課題解消の一助となるよう各種事業に取り組んでいる。

当協会の目的は、紙パルプ産業界にあって、「製紙メーカ、原材料・薬品・設備メーカ、販売各社と製紙(紙加工)ユーザ」の橋渡し役として、技術交流や人的交流の推進に努めるとともにこれからの紙パルプ産業界を支える人材の育成を積極的に推進していくことである。

若手技術者に対しては基礎教育と早期戦力化の援助の役割、中堅技術者に対してはレベルアップを図る場を提供しており、本年度も引き続き人材育成、新技術の紹介、人的交流の拡大に向けた施策を実施する。
具体的には、前年度の成果を踏まえて、本県の紙パルプ業界の振興のため、次の諸事業に取り組む。

*次代を担う技術者の育成を目指し、人材育成のための中期及び短期の技術者研修事業
各研修の内容充実を図るとともに個別要望対応型研修の拡充に努める。

*自動化・省力化・工程安定化のための計装制御技術研修及び機械設備保全技術研修事業
今年度もポリテクセンターの協力を得て各種保全の技術研修を実施する。

*新製品開発技術・古紙の高度利用と品質アップ技術・省エネ技術・環境調和技術などの新技術に関する講演会、講習会、見学会の開催
富士工業技術支援センター及び静岡県工業技術研究所富士センター協議会との密接な連携を図る。

*技術情報誌「紙パルプの技術」の発行
紙パルプに関する知見を広めるための技術情報誌として内容の充実に努め、普及啓発を図るため公益的事業として実施する。

*会員相互の情報交換と交流を図るための会員交流会の開催

*「アドバイザー」制度の活用

*新会員の加入推進

平成29年度事業
会告
第70回定時総会審議内容の報告
○平成28年度事業報告(概要)
  第69回定時総会開催:平成28年6月8日
  理事会開催状況
  *平成28年5月11日 ①27年度事業報告・決算報告
             ②役員の選任について
             ③表彰者の選考
             ④第69回定時総会議案書討議
             ⑤紙パルプ技術アドバイザーの承認
             ⑥契約の承認
             ⑦会員の異動
  *平成28年8月17日  ①1/4半期事業・会計報告
             ②28年度収支予算の補正
             ③会員の異動
             ④紙パルプ等技術アドバイザーの承認
  *平成28年12月14日 ①2/4半期事業・会計報告
             ②会員の異動
             ③29年度事業の進め方
④什器備品(プロジェクター)の廃棄について
  *平成29年3月15日 ①28年度事業報告・会員の異動
             ②28年度決算見込
             ③28年度補正予算
             ④29年度事業計画
⑤29年度収支予算案
             ⑥第70回定時総会の招集
           ⑦役員の改選
定期監査     平成28年4月13日 実施
           平成27年度事業報告・収支決算及び財産状況の監査
           公益目的支出計画実施報告書に関する監査
  編集委員会開催(4回):技術情報誌「紙パルプの技術」の編集
             第67巻1~4号発行
  技術研修開催 ①新入社員研修 平成28年7月6日(44名参加)
         ②中小企業等技術者研修(中期) 
          平成28年10月12日~10月31日(32名参加)
         ③機械保全実践技術講座 
          平成29年3月1日~3月3日(14名参加)
         ④電気計装実践技術講座 
          平成29年2月1日~2月3日(11名参加)
         ⑤中小企業等技術者研修(短期) 
          平成29年2月13日~2月17日(38名参加)
  技術講演会開催  第1回 平成28年5月24日(50名参加)
           第2回 平成28年7月13日(83名参加))
           第3回 平成28年9月14日(48名参加))
          第4回 平成28年11月30日(52名参加))
          第5回 平成29年2月8日(50名参加))
  静岡県包装研究会開催 平成28年11月11日(63名参加)
  見学会開催 
 *平成28年 8月3日実施(特殊東海製紙㈱島田工場)  48名参加
 *平成28年12月12日実施(王子マテリア㈱富士工場)  46名参加
  出前講座 1回実施
 ○会員の状況: 246会員(平成29年3月末)
  維持会員 141社、個人会員(1号) 90人、個人会員(2号)15人
 ○平成28年収支決算報告 別添 貸借対照表 正味財産増減計算書
 ○平成28年度会費について  維持会費  40,000円
               個人会費  1号会員 2,000円
                     2号会員 3,000円
 ○役員の改選 
 ○平成29年度事業計画の概要(報告事項)
  製紙工学技術者研修
   ①中期研修(10月)
   ②短期研修(2月下旬~)
   ③新入社員研修(7月)
   ④機械保全(12月)、電気計装(2月)実践研修(各1回)
  技術講演会開催 年5回程度
  品質管理等の講習会 年1回
  包装研究会 年1回
  技術情報誌「紙パルプの技術」の発行(公益目的支出計画事業)
  出前講座 随時
  工場見学会  2回
  会員交流会 (新年互礼交歓会) 1月
 ○平成29年度収支予算(報告事項)
 以上を総会にて審議し了承(賛同)を得て閉会した。

平成29年度(2017年度)

機械保全実践技術講座(事例・解決編)の実施について

日 時 平成30年3月15日(水)~16日(金)
        (研修時間 15時間)
場 所 静岡県富士工業技術支援センター 研修室
受講者 13人
(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構静岡職業能力開発促進センター(ポリテクセンター静岡)の全面的なご支援を受け、研修を行いました。
 各種分解組立用工具野取扱い方、分解組立作業実習、機械要素、金属材料についての異常状態の種類、メカニズム、異常現象に対する評価、対処に関わる知識を身につけてもらいました。
研修風景
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中小企業等技術者研修(製紙工学課程・短期)

日時 平成30年2月19日(月)~2月23日(金)
         座学30時間
場所 静岡県富士工業技術支援センター 研修室
受講者 延べ35人
  内容 製紙の総合的な技術・知識修得の研修です。「製紙概論」「紙料調成機械」「抄紙概要」「古紙処理法」「ワイヤーの構造と機能」「フエルトの構造と機能」「内部添加剤」「家庭紙概論」「紙塗工法」「仕上・包装」「用紙と印刷」の講義を熱心に受講しました。

カリキュラムシート 


第5回技術講演会を開催(平成30年2月7日)

参加者:93名
 会 場:富士工業技術支援センター大研修室
(1)【昨今の家庭紙事情と今後(抄紙機の改良と薬剤の役割)】
㈱理研グリーン 産薬事業本部技術部部長 小木 徹彦 様

「現在、日本国内で稼働している一般抄紙機では、設備改造等により増速化され
ても、反比例して紙の厚みの維持、また増すことが難しくなってきている。そ
の点海外においては、TAD(エアースルートドライヤー)などの抄紙機によ
って、紙の厚みを上げるのが、一般的であるが、この抄紙機は生産コスト高に
なるため日本では導入されなかった。
 その中で、2000年頃から家庭紙でも設置されたシュープレス抄紙機。
 昨今、このシュープレス技術が進化したことで、海外の多くの抄紙機で普及し
始め、高速で崇高な紙を生産している。この抄紙機は今年、日本にも導入され
る計画が始まっている。しかし、このシュープレス導入によって、今迄のサク
ションプレスロール同様の薬剤処方選定することが難しくなっている。この難
題を乗り越えるため、これに見合った操業及び薬剤の紹介をして頂きました。」

  • 理研講義風景
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    (2)テーマ:「BTGのティッシュマシンへの技術的アプローチ」
    スペクトリス㈱BTG事業部 取締役  前川 卓彌 様

「日本の家庭紙のマーケットは欧米諸国と比べて特異な点があります。消費者が
欧米他国と比べて薄い紙(坪量が軽い)を好む傾向にあり、この結果によりヤ
ンキー上のコーティング膜は薄く、また硬い傾向があります。そのため最適な
コーティング膜の操業条件を維持することは難しいとされています。BTG製
品の特殊クレーピングとブレート振動モニタリングシステムの適応によってこ
の膜を可視化し、安定した操業を保てることが可能です。それによって得られ
る品質改善やコストメリットは膨大なものがあります。またBTGのパルプ濃
度計、フリーネス計、オンラインリテンション計を導入によってもパルプ調整
工程が安定し、生産向上に寄与できます。今回はこの講演を通じてBTGのテ
ィッシュマシンへの技術アプローチを紹介して頂きました。」

  • スペリトリス講義風景
    画像の説明


    (3)テーマ:「アドバンテージ ヤンキーサービスパッケージ」
    川之江造機㈱ 製造部部長兼製造技術課課長 佐藤 政利 氏
    「川之江造機が、Valmet社、トーカロ㈱と連携し、提供する包括的
     ヤンキードライヤサービス“アドバンテージ ヤンキーサービスパッケー
    ジ”。日本国内にて一貫して行うことが可能となった総合的なヤンキーサービス
    体制です。
    そのパッケージの一つである、ティシュマシンの多くが老朽化していると言わ
    れる日本国内にある200本近くの既存ヤンキードライヤの状態を数値的に把握
    する診断プログラムを紹介いたします。
    安全上の懸念を取り払い、最適なメンテナンス、生産性の改善と品質の向上
    へのご提案を可能と致します。また、昨年実際に日本にて実施した当プログラ
    ムの実例の紹介をして頂きました。」
  • 川之江造機講義風景
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職場環境改善セミナー

日時 平成29年12月13日(水)
      座学3時間
場所 静岡県富士工業技術支援センター 研修室
受講者 19人
(1)【人材不足対応セミナー ~今すぐ取り組む、わが社の「働き方改革」~】
講師 ㈱MEL ソリューション   代表取締役会長 安田 芳樹 氏
  内容 人材の確保が困難な時代となり、対策として求人方法の工夫や中長期的な取組として省力化に向けた設備投資、=IT化やロボット等の投入もありますが、コストと時間がかかります。個々の企業さまごとに、身近ですぐに着手出来ること、自助努力で対応可能な取組があるはずです。
現有戦力での対応策、採用難を前提にした経営戦略の見直しとその取組について提案していただきました。

  • セミナー風景1
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    (2)【健康づくりは職場全体で取り組もう ~健康経営のすすめ~】
    講師 静岡県富士健康福祉センター 医療健康課 専門主査 平塚 歩実 氏
    要旨 健康経営とは、従業員の健康を重要な経営資源と捉え、健康づくりに積極的に取り組む企業経営スタイルのことを言います。
    健康づくりを推進するメリットとして、労働生産性がアップ・事業所のイメージアップ・労働災害事故等の防止や病気休暇等による支払減少等様々なメリットがあり、従業員の健康度アップを目指し、事業所を挙げて健康経営に取組みませんか提案して頂きました。
  • セミナー風景2
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中小企業技術者「有接点シーケンス制御の実践技術」研修

日時 平成29年12月7日(木)~8日(金)
  訓練時間 15時間
場所 静岡県富士工業技術支援センター 小修室
受講者 9人
  内容 シーケンス制御に必要な機器である電磁リレー・タイマー・押しボタンスイッチ・ランプ等の仕組みを理解し、回路作成実習を通して各機器の配線方法、動作を習得しました。
  
講義風景
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施設見学会

日時 平成29年12月6日(水)
会場 富士フイルムエンジニアリング㈱研修センター
参加者 10人
  内容 富士フイルムエンジニアリング㈱研修センターの皆様のご協力を得て施設見学会を開催しました。研修施設の見学や危険体感設備の説明や体験等を行い安全に対する認識を再確認しました。
 

  • 危険体感(クレーンで物を釣り上げる際の危険体験(玉掛け)

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第4回技術講演会を開催(平成29年11月29日(水))

 テーマ:「保全特集」
参加者:73人
会 場:富士工業技術支援センター大研修室

(1)【富士フイルムの保全改革】~設備保全の考え方や進め方~
富士フイルムエンジニアリング㈱ 
取締役 技術企画・開発事業部 事業部長 吉田 信行 様 
『富士フイルムでは、写真フィルム市場消滅の危機を、事業構造の転換で乗り越えてきました。これに合わせて、設備保全への取り組みも大きく改革を断行。それまでは、生産を1分1秒止めないため、保全費をかけた予防保全を実施していました。これに対し、保全の考え方や進め方を見直し、点検主体の保全・自前保全・チーム保全という3つの柱を中心とした保全改革活動を全社で展開し、設備の安定化と保全費削減の両立を達成しました。更に最近様々な分野で話題になるIoT/ICTについて、設備保全のIot/ICT化をどのように進めていくのかを考察。世の中の流れに対し、独自の考え方で取り組みを開始しており、その活動を紹介して頂きました。』
→富士フイルムエンジニアリング㈱
取締役 技術企画・開発事業部 事業部長 吉田 信行 様
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→講義風景
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(2)【製紙用ロールのリフレッシュ精密加工について】
             ㈱杉村製作所   営業部長 仁平 勝也 様
『 当社の取り組んでいる製紙用ロールのリフレッシュ精密加工について説明したい。
昭和20年8月にゴムロールの精密加工メーカーとして発足した当社は、以来幅広くロールの表面精密加工に取組み、顧客様の要望に応えて多くの経験と実績を積み重ねてきた。
現在対象分野は製紙に留まらず、プラスチックフィルムや鉄鋼の圧延など、産業機械全般に及んでいる。
当社のリフレッシュ精密加工の特長は、ロールを軸箱ごとに杉村に送って頂ければ、ロールの再研磨だけでなく、軸箱の整備、サクションロール内の整備、ロールバランスの調整などがワンストップで完結することにある。今回の講演では当社の各拠点での受け入れ態勢について解説した頂きました。』

→㈱杉村製作所講師一同
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→講義風景
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中小企業等技術者研修(製紙工学課程・中期)

日時 平成29年10月11日(水)~10月26日(水) (土日祝日を除く)
      (座学40.5時間、実習12時間 計52.5時間)
      場所 静岡県富士工業技術支援センター 研修室・
  内容 紙・パルプ産業の技術者の皆さんを対象に、製紙の総合的な技術を習得していただく研修です。「製紙原材料概論」「紙料調成機械」「古紙処理法」「抄紙概要」「抄紙機各論」「内部添加剤」「抄紙用具」「紙塗工法」「家庭紙の製造」「用紙と印刷」「品質管理」「製紙工業における省エネルギー」「仕上包装」「パイロットマシン利用抄紙機概要」などの講義と「原料調成・抄紙」「物性試験」の実習を行いました。
    
受講者 18人
実習風景
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別添
カリキュラム

品質管理セミナー研修

日時 平成29年10月4日(水)
      座学3時間
場所 静岡県富士工業技術支援センター 研修室
受講者 21人
  内容 品質管理の基本的な考え方、品質管理の歴史、品質管理の全体像、ISO、QCの7つの道具、検査、現場の品質管理、新しい品質管理等について
    講義をいただきました。
   
講義風景
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第3回技術講演会を開催(平成29年9月13日(水))(写真:講師写真)

 テーマ:「古紙処理特集」
参加者:57人
会 場:富士工業技術支援センター大研修室

(1)【古紙品質低下に対する今後の対応策】
相川鉄工㈱ 海外営業部 課長代理 安田 圭児 様

『循環型社会への移行が重要視される中、古紙使用は不可欠であるが古紙
の品質については悪化しているのが現状である。この古紙原料品質低下
に対する対応策として弊社の最新技術、具体的な導入事例等を紹介させ
て頂く。
原質工程としてはスクリーン歩留り向上対策、特定禁忌品混入対策、
難離解古紙対策などの紹介。
抄紙工程としては異物率増加による用具汚れ対策としてファブリッ
ククリナー、ロール洗浄装置などの効率的な対策を紹介。
本公演で技術、製品が皆様の工場で抱える問題解消の切掛けとなる提案を紹介して頂きました。

→講師 
相川鉄工㈱ 海外営業部 課長代理 安田 圭児 様
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(2)【S.sensing®システムとエアレーションを併用した微生物コントロール
による水質安定化技術のご紹介】
栗田工業(株)第一営業部 ソリューション推進第一部門
プロセス技術一部 主任研究員  桂 仁樹 様

『古紙配合の増加に伴い微生物による障害が顕在化しています。古紙に
は、微生物の栄養となる澱粉が多量に含まれており、紙製造工程にお
いて微生物活動による有機酸生成が、様々な障害を引き起こしていま
す。これらの障害を抑制する為にスライムコントロール処理が行われま
す。本公演では弊社独自の技術として、スライムコントロール剤である
ファジサイド®を効率的に作用させるためにエアレーションを用いた物
理的な阻害物資の除去、水質を連続的に監視・解析・薬注制御を行う
S.sensing®システムを適用した薬剤及び装置、センシングを用いた最
新処理技術を紹介して頂きました。』

→講師 
栗田工業(株)第一営業部 ソリューション推進第
一部門 プロセス技術一部 主任研究員  桂 仁樹 様
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(3)①【フロードラムパルパー(FFD)のOCC及び牛乳パック等への応用】
アンドリッツ(株) 技術営業部 グループリーダー 奥西 敏夫 様

『従来新聞古紙処理を中心に発展してきたFFD技術をOCCに適用するた
 めドラム内の原料ショートパスを防ぎ、長い滞留時間でかつ滞留時間
のバラつきを減少させることで、離解度のバラつきが減少し、OCCをほ
ぼ完全離解することが可能となっている。その結果、中国や東南アジ
ア諸国を中心に異物の多いOCCにFFDを適用する納入実績が急増して
いる。さらに牛乳パック、ラミネート紙等のプラスチック異物が多い
古紙や難離解古紙を処理するバッチ式FFDを新規に開発された事項に
ついて説明して頂きました。』

→講師
アンドリッツ㈱ 技術営業部 グループリーダー 奥西敏夫氏
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②【Drabond-新製造方法による高精度、高性能な叩解機刃物】
アンドリッツ(株) 技術サービス 西澤 大也 様

『叩解機刃物の多くは鋳物であり、製造に際し根本的な制約がある。
アンドリッツの新しい叩解機刃物「Durabond」は新加工技術と非加熱
ボンディング技術によりこれらの制約を解決した。また、Durabond専
用合金を開発し、一般的に高精度な刃物として知られる溶接技術を用
いた物に比べ、高品質且つ、より高性能の刃物が提供可能となった事
柄について説明して頂きました。

→講師
アンドリッツ㈱ 技術サービス 西澤 大也 様
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第2回技術講演会を開催(平成29年7月12日(水))(写真:講師写真)

 テーマ:「安全・環境特集」
参加者:56人
会 場:富士工業技術支援センター大研修室

(1)【製紙業における労働災害の防止について】
富士労働基準監督署 安全衛生課 課長 林 明宏 様

『平成28年の富士労働基準監督署管内における休業4日以上の労働災害発生状況は、平成27年:525件、平成28年:452件と前年比では大きく減少したものの、平成26年は453件であり、前々年比では横ばい状態である。特に「パルプ・紙加工」の業種においては、平成28年は56件と平成27年から18件減少したものの、平成26年との比較では3件増加となっており、製造業種の災害件数中、最も大きな割合を占めています。「パルプ・紙加工」の製造業における労働災害の災害事例を基に、その発生原因や起因物を分析し、労働災害を減少させるために取組むべき事項について説明していただきました。』

  • 講師写真
    富士労働基準監督署 安全衛生課長 林 明宏 様 
    画像の説明

(2)【シャットダウン時における活性汚泥養生運転方法と臭気対策】
無臭元工業㈱ 水環境ソリューション部チーフエンジニア林 賢治様

『リーマンショツク以降、シャットダウン期間が長期化するに伴い、排水 処理工程である活性汚泥処理の立上げトラブルが起きやすくなっている。立上げトラブルを避けるためには、無負荷となるシャットダウン期間中、活性汚泥の処理活性低下や物理的な汚泥性状を最小限に抑えるための養生運転のテクニックが必要であり、これまで多くの紙パ工場において実際に適用され、トラブル回避を図ってきた方法を紹介していただきました。』

  • 講師写真
    無臭元工業㈱ 水環境ソリューション部チーフエンジニア林 賢治様
    画像の説明

(3)【工場等における防火管理体制の構築について】
富士市消防本部予防課査察担当 主査(消防司令補) 伊勢谷 真史様

『富士市内では、平成28年中に54件の火災が発生し、過去50年間で最少の件数となりました。しかしながら、近年市内では、大規模な倉庫や工場火災が発生しており、各事業所においては、日頃からの防火管理体制の構築が必要となります。
 本公演では、本市の産業基盤の中心となる工場・作業所等の「防火管理」に焦点を絞り、近年の火災状況を踏まえた、今後の防火管理体制のあり方について説明していただいた。』

  • 講師写真 
    富士市消防本部予防課査察担当 主査(消防司令補) 伊勢谷 真史様
    画像の説明


平成29年度 新入社員研修(中小企業等技術者研修製紙工学課程)

日 時 平成29年7月6日(木)
     (研修時間 6時間15分)
場 所 静岡県富士工業技術支援センター 研修室
      受講者 53人
内容 
紙・パルプ産業の入社1年未満の技術者の皆さんを対象に、 紙についての一般知識、紙の原材料、古紙処理、抄紙、仕上げ・加工等の概論についての講義と富士工業技術支援センターのパイロットマシン、試験設備等見学の研修を実施しました。
     ご参加ありがとうございました。

  • 新入社員研修講習風景
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  • 新入社員研修施設研修
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第70回定時総会開催

第70回定時総会は、来賓に富士市の仁藤哲副市長、静岡県の影山敦彦経済産業部商工業局地域産業課長、佐藤廣美富士工業技術支援センター長等をお迎えし、平成29年6月6日、ホテルグランド富士にて開催しました。
(会員出席者68名、委任状提出者111名 計179名)
 第1号議案 平成28年度事業報告及び収支決算報告並びに監査報告に関する件
 第2号議案 平成29年度会費に関する件
 第3号議案 役員の選任に関する件
  以上が提案され、満場一致にて可決されました。

 続いて、専務理事として、協会事務局の適正な運営にご尽力された深澤健一様に功績表彰を贈呈しました。
 引き続き、技術表彰、優秀開発表彰を贈呈しました。


○技術表彰 「トイレットペーパーのクレープ形状がやわらかさに与える影響」
(協会技術情報誌「紙パルプの技術」第67第1号)
             富士工業技術支援センター
                       鈴木 悠介 様
                       深沢 博之 様
                       木野 浩成 様
大要:  研究者は、地元静岡県富士地域の古紙を原料としたトイレットペーパーの
   家庭紙メーカーの『品質面での優位性を確保したい』という要望に応える
    べく、トイレットペーパーの品質で最も重要な『やわらかさ』に影響与え
    るクレープ(トイレットペーパーの表面にある細かいしわ)形状に注目した。
    そして、クレープ形状の評価法を確立し、クレープ形状とやわらかさ関係
    を明らかにした。

 ○優秀開発表彰「製紙プロセスにおけるスライムコントロール剤添加量の最適化」
          栗田工業株式会社 富士営業所 所長 鈴木 慎平 様
 大要: 製紙プロセスで使用されるスライムコントロール剤はタイマーによる薬
    注が主流となっているが、過剰添加による薬品コストの上昇や逆に添加
    不足による処理悪化のリスクを抱えていた。
    このリスクを解消するため、水質に応じてスライムコントロール剤の添
    加量を自動制御する「S.sensingFS」を開発すると共に、酸化剤系のスラ
    イムコントロール剤が系内の還元物資に消耗させることを防ぐ「エアレー
    ション技術」を導入した。
    これらの技術により、スライムコントロール剤添加量の最適化を実現し、
    処理効果の向上とコスト削減を同時に達成した。

  • 特別講演は、一般財団法人静岡経済研究所常務理事の中村昭夫様に「今後の静岡県経済の動向」をテーマに講演をしていただきました。
    画像の説明

会員の皆さまには格別のご協力を賜り、円滑に総会を執り行うことができました。ここに謹んで感謝申し上げます。
本年度も、当協会興亜工業㈱の大久保賢治会長のもと、皆様のお役にたつ協会として各種事業に取り組んでまいりますので、引き続き、会員の皆様のご支援・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

  • 総会 大久保会長挨拶
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  • 交流会梅原副会長挨拶
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  • 表彰式写真
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    画像の説明
  • 総会風景
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第1回技術講演会を開催(平成29年5月24日(水))

参加者:83人
会 場:富士工業技術支援センター大研修室

(1)【家庭紙の生産性と品質向上に対する最新のアプローチ】
油化産業㈱ 海外営業部 担当部長 井上 英一 様
アマゾン パピルス ケミカルズ社 
プロダクトマネージャー フィリップ バンス 様

『油化産業㈱は、製紙現場で発生する様々な汚れ問題の解決に主眼をおいたビジネスを展開しています。また当社が国内の販売権を有するAmazon Papyrus Chemicals社は、単に薬剤を販売するだけではなく総合的な知見ノウハウから工程改善の提案を行う会社(Service Company)を目指しており、家庭紙分野においては古紙パルプの生産性及び品質向上、抄紙工程におけるウエットエンドの最適化、最適なクレーピング薬剤の選定など総合的なサービスを提供しています。今回は「家庭紙の生産性と品質向上に対する最新のアプローチ」ご紹介いただいた。』

  →油化産業㈱講師一同 
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  →講演風景1
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(2)【製紙薬品による家庭紙の高品質化】
星光PMC㈱ 製紙用薬品事業部 技術統括部  西 隆之 様

『国内の家庭紙の生産量が横這いの中、家庭紙業界では、競争力を高めるために、製品の高品質化が行われており、紙の柔らかさや、肌触りを向 上させる製紙用薬品が求められている。
我々は、高品質化の要望を満たす製紙用薬品の開発を進めており、今回 数ある家庭用紙用薬品の中から,紙の高品質化に関わる、風合向上剤、保湿剤、クレープ剤の3種類の薬品に関する機能と効果についてご紹介いただいた。』

→星光PMC㈱ 西講師
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→講演風景2
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(3)【断紙、欠点を根元から断つ! 見えない工程内の強化洗浄によりデポジット問題を解決する抜本的なケミカルアプローチ】
㈱日新化学研究所 富士営業所 所長代理 古賀 英次 様

『製紙工程内に付着するデポジットは、マシンの操業性、製品の品質に 対して悪影響をもたらします。古紙などの原料品質が変動する為、デポジット付着を完全に抑制する事は難しいが、操業に影響を与えない状態でコントロールしておくために、SD時の定期的かつ適切な工程洗浄を実施する事が重要です。
製品品質の向上だけでなく、コスト削減につながるマシン操業性と
生産性の向上を実現する工程洗浄アプローチをご紹介いただいた。』

→㈱日新化学研究所 古賀講師
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→講演風景3
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